水引の解体ショー 最終回
2021/12/10
さてさて水引を解剖して早や3回目。本日は水引の解剖の最終回です。解体ショーがいつの間にか解剖になっていますが、まぁいいや。
前回身にまとったきれいな糸をはぎ取られ、少しヨリを戻されてしまった和紙ですが、このまま作業を続けましょう。さらにヨリを戻していきます。
なんと現れたのは薄い薄い和紙のお姿!下がうっすらですが透けて見えませんか。こんなに薄い和紙様が水引の中におこもりだったとは!
幅を測ってみたら約2cm。2㎝が9㎜になるとは!
もっと厳密にいえば、コヨリを作ってのりで固めて糸を巻き付けるので、のりと糸の分を考えると、できたコヨリは9㎜以下になると思います。1㎜になると太い!と感じてしまうので、1㎜以下の世界の話。大雑把な私には驚愕の世界です。
そしてのりの乗せ方もきっと何かコツなり秘訣なりがあるんじゃないかと思っています。つけすぎても、つけなくてもダメな世界なんだと思います。
こののりのおかげで作品にリンとした緊張感が生まれ、和紙本来の風合いでたおやかさが出るんじゃないかと、個人的には信じているのですが、ああ、水引を作っているところ、見てみたい。
私のつたない文章では水引の魅力、伝えきれなくて歯がゆいです。
長々と水引の解体ショーにお付き合いいただき、ありがとうございます。
これからご祝儀袋やお香典袋の水引細工をご覧になったら、ぜひ薄い和紙と細い糸に思いを馳せていただければと思います。
私は私で、水引の魅力を再確認していただけるよう、情報を発信していきますね。(オンラインストアにも来てね)。
自己紹介っていうか、水引に惹かれたきっかけっていうか…
2021/12/03
以前、外国の方と多く接する仕事をしていたので、外国の方から見た日本の魅力を聞く機会がよくありました。
コンビニ愛好家や小津安二郎オタクはよくいますが、任侠映画で日本のヤクザ沼にどっぷりつかる人もいます。中国から来た方は、某有名中華料理のチェーン店を「国と同じ味!安いし毎日行きたい!!」とほめてくれたし、フランスの方は一月一日の朝に正しく配達される年賀状のシステムに驚愕していました。恥ずかしながら、私は戦後日本に具象というアートシーン(?)があったことも知らなかったし、今では有名な直島も最初は彼らからの情報でした。
そんな外国の方たちが大絶賛するものの一つに、「コンビニでも買えるクールでゴージャスな封筒」があります。
さてこれ、なんでしょう。… 正解はご祝儀袋や香典袋。
なるほどね。香典袋は詫び寂びの世界観だし、ご祝儀袋は華やかです。中にはあまり好きすぎて国のおばあちゃんに香典袋に手紙を入れて送ったという人まで現れました。おばあちゃんに香典袋…。なんかシュールだ…。
でもそう絶賛されてよく見てみれば、確かに赤い梅結びはかわいいし、黒白の結びはシックで独特の雰囲気を持っています。
中国にも韓国にも紐を使った結びの文化はあるのですが、日本の水引は和紙でできているため、割りと一発勝負のような感じがあります。紙なので失敗すると折りじわがついてしまうからやり直しがきかないと言えばわかりやすいでしょうか。
多分私はそんな潔さに惹かれたのだと思います。和紙の潔い柔らかさという、なんだか相反するところにはまってしまいました。この手作業による結びの文化、後世に残したいと言ったら大それていますが、おばあちゃんに送る封筒のように、もっと身近に使う人が増えてもいいのではないかと思いました。
だからといって、ご祝儀袋の亀をそのまま髪につけたら恥ずかしい、亀を胸につけても何だかな…。でも毎日使いたい、身につけていたい。じゃあ今の服装に合うものを自分で作っちゃえ!と思い立ったのがはじまりです。普段の生活にも使える水引だからお店の名前も「ふだんの」にしちゃえ!と二秒熟考後に決定。
そんな感じで始まった私の水引ライフ。
水引の魅力とか、をこちらのブログで発信していけたらと思っています。
ってなわけで、今後とも「水引小物・ふだんの」共々、どうぞよろしくお願いいたします。